FDAは2024年9月20日、未治療で自家移植の適応のない多発性骨髄腫に対して、 isatuximab-irfc (Sarclisa) を従来の標準療法であった bortezomib (Velcade)、lenalidomide (Revlimid)、dexamethasone (VRd)に加える4剤併用療法を承認しました。
FDA Approves Isatuximab Plus VRd for Newly Diagnosed, Transplant-Ineligible Multiple Myeloma
承認のもととなったピボタル試験はP3のIMROZ試験(NCT03319667)で、先日NEJMにもIsa-VRd療法の結果が報告されました。Isa-VRdは対照群のVRdと比較して、PDや死亡のリスクを40.4%低下させました。Median59.7ヵ月のの追跡期間では、Isa-VRdのPFSは未達、一方でVRdでは54.34ヵ月でした。
4剤併用の導入療法後も、isatuximabは4週ごとの投与を、PDや毒性が見られるまで継続されました。対照群もRdでの継続投与期間となった場合はクロスオーバーも認められていました。
その他のデータとしてORRは、Isa-VRdとVRdで91.3%と92.3%、sCR/CRはそれぞれ10.9%/63.8%と5.5%/58.6%でした。MRD陰性率はそれぞれ58.1%と43.6%でした。12か月以上の持続したMRD陰性の達成率は、それぞれ46.8%と24.3%でした。MRD陰性化までの中央値はそれぞれ、14.72ヵ月と32.79ヵ月となっていました。まだ観察期間は短いものの5y-OSはIsa-VRdで72.3%、VRdで66.3%でした。
有害事象としては、呼吸器感染症、下痢、疲労、末しょう神経障害、肺炎、筋骨格痛、白内障、便秘、浮腫、皮疹、infusion reaction、不眠症、COVID-19が20%以上でみられました。
%htitle%