LBCL PR

【Glofit-Pola】CAR-T療法に抵抗性を示す難治性リンパ腫にも有効な新併用療法の驚くべき有効性

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

Hutchings, Martin et al. “Efficacy and Safety of Glofitamab Plus Polatuzumab Vedotin in Relapsed/Refractory Large B-Cell Lymphoma Including High-Grade B-Cell Lymphoma: Results From a Phase Ib/II Trial.” Journal of clinical oncology : official journal of the American Society of Clinical Oncology vol. 43,36 (2025): 3788-3798. doi:10.1200/JCO-25-00992

再発・難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(R/R LBCL)の治療は、特にCAR-T細胞療法のような強力な治療をすでに受けた患者にとって、依然として大きな課題であり続けています。しかし、この困難な状況に新たな希望の光をもたらす可能性を示したのがGlofitamab(CD20/CD3)とPolatuzumab vedotin(CD79b-ADC)を組み合わせた「Glofit-Pola」療法です。最近発表された第Ib/II相試験の主要解析結果は、これらの治療抵抗性の患者に対する画期的な有効性と管理可能な安全性プロファイルを示しました。

キーポイント

  • 高い奏効率: 多くの前治療歴を持つR/R LBCL患者129名において、78.3%という高い総合奏効率(ORR)と59.7%の完全奏効率(CR)を達成しました。
  • 高リスク群への有効性: 特に治療が困難とされる高悪性度B細胞リンパ腫(HGBCL)や、CAR-T細胞療法後に再発した患者群においても、顕著な有効性が確認されました。
  • 持続的な効果: 治療効果は一時的なものではなく、奏効期間(DOR)の中央値は26.4ヶ月、完全奏効を達成した患者においては37.8ヶ月と、長期間にわたって持続することが確認されました。
  • 管理可能な安全性: 副作用は管理可能で、特にサイトカイン放出症候群(CRS)の大部分は軽度でした。
  • 優れたアクセス性: CAR-T療法と異なり、必要な時にすぐ投与できる「off-the-shelf」(既製品)治療である。

1. 有効性:難治性リンパ腫に対する高い奏効率

Glofit-Pola併用療法は、治療が困難なリンパ腫患者を対象とした臨床試験で極めて優れた結果を示しました。

治験の詳細

  • 治験のフェーズ: 第Ib/II相試験
  • 主要評価項目: 独立評価委員会(IRC)評価による最良総合奏効率(ORR)
  • 副次評価項目: 完全奏効(CR)、奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性など

本試験に参加した129名の患者において、独立評価委員会(IRC)が評価した総合奏効率(ORR)は78.3%に達しました。さらに、完全奏効率(CR)は59.7%でした。

    これらの数値は、治療歴の中央値が2回で、71.3%が直近の治療に、62.0%が初回治療から抵抗性を示していた極めて治療困難な患者集団において達成されたものであり、本療法の強力な抗腫瘍効果を示しています。

    2. 最も困難な患者への希望:高リスク群における画期的な有効性

    Glofit-Pola療法は、治療が困難な状況にある高リスクの患者群患者たちに対しても、画期的な有効性をもたらしました。本試験では、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBCL)に対する有望な初期結果が確認された後、このアンメットニーズの高い患者群を対象に、登録を拡大するという戦略が取られました。

    • 高悪性度B細胞リンパ腫(HGBCL)の患者: HGBCLは極めて進行が速く、予後が悪いことで知られています(本試験では悪性度の高いダブル/トリプルヒット・リンパ腫の患者が65.9%を占めました)。この患者群において、治験担当医師の評価による完全奏効率(CR)は65.9%に達しました。
    • CAR-T細胞療法後の患者: 近年登場した画期的なCAR-T細胞療法でさえ効果がなかった、あるいは再発してしまった28名の患者において、治験担当医師評価による総合奏効率(ORR)75.0%、完全奏効率(CR)50.0%という高い有効性が確認されました。CAR-T療法後の有効な治療選択肢は喫緊の課題であり、本療法がその重要な答えの一つとなり得ます。
    • 初回治療抵抗性の患者: 最初の治療から抵抗性を示した、いわゆる「一次性難治性」の患者においても奏効期間(DOR)の中央値は31.8ヶ月に及び、治療初期から効果が得られにくいがんに対しても持続的なコントロールが可能であることを示唆しています。

    3. 一時的ではない効果:長期間持続する奏効

    がん治療において、腫瘍を縮小させること(奏効)は第一歩に過ぎません。その効果がどれだけ長く続くか(奏効の持続性)が、患者の生活の質と生存期間を左右する上で極めて重要です。Glofit-Pola療法は、この点においても非常に有望なデータを示しました。

    • 奏効期間(DOR): 治療に反応した患者において、その効果が持続した期間の中央値は26.4ヶ月でした。これは、一度効果が得られると、2年以上にわたってがんの進行が抑制される可能性があることを意味します。
    • 完全奏効期間(DOCR): さらに、がんが完全に消失した77名の患者に絞ると、その状態が続いた期間の中央値は37.8ヶ月と、さらに長期間に及びました。この持続性は、2年時点でも完全奏効を維持していた患者の割合が63.9%であったことからも裏付けられ、治癒の可能性さえ示唆する力強い結果です。
    • 無増悪生存期間(PFS): 患者が治療開始後にがんの増悪なく生存した期間の中央値は12.3ヶ月でした。2年時点で増悪なく生存していた患者の割合は41.8%でした。
    • 全生存期間(OS): 患者の全生存期間の中央値は33.8ヶ月に達しており、追跡調査は現在も継続中です。

    4. 安全性とアクセス性:管理可能な「Off-the-shelf」治療

    Glofit-Pola療法は、有効性と安全性のバランス、そして実用性の両面で優れた特性を持っています。

    安全性プロファイル

    最も一般的に見られた副作用はサイトカイン放出症候群(CRS)でした。大部分(全患者の41.9%)は軽度から中等度(グレード1-2)であり、管理可能でした。重篤なグレード5(致死的)のCRSが1例報告されましたが、この患者は進行したHGBCLを患い、複数のリスク因子を有していたことが記載されています。CAR-T療法で懸念される神経毒性(ICANS)に類似する事象はわずか3.1%(4名)で、いずれも軽度(グレード1-2)かつ一過性で回復可能でした。その他の重度(グレード3-4)の副作用としては、好中球減少症(32.6%)などがありました。全体として、安全性プロファイルは許容範囲内であると評価されています。

    実用的な利点

    本研究の考察では、Glofit-Pola療法は「期間固定の既製品(off-the-shelf)であり、化学療法への依存度が低いレジメン」と表現されています。 これは患者一人ひとりのために細胞を製造する必要があるCAR-T細胞療法とは対照的です。CAR-T療法は、製造に数週間を要し、実施可能な専門施設も限られるため、全ての患者が迅速に治療を受けられるわけではありません。一方、Glofit-Polaは既製の薬剤であるため、必要な時にすぐに投与を開始できるという大きな利点があります。

    高い有効性と持続性、そして管理可能な安全性と優れたアクセス性を兼ね備えたGlofit-Polaは、難治性リンパ腫の治療における極めて有望な選択肢と言えるでしょう。

    結論

    Glofit-Pola併用療法は、多くの前治療歴を持つ再発・難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(R/R LBCL)患者、特に高悪性度B細胞リンパ腫やCAR-T療法後のような高リスク群を含む患者に対して、高く持続的な有効性と管理可能な安全性プロファイルを示しました。この結果は、これまで有効な治療法が限られていた患者にとって非常に重要なものとなります。

    現在、この併用療法を初回治療に応用する第III相国際共同試験(SKYGLO試験)が進行中です。この「off-the-shelf」型アプローチは、B細胞リンパ腫の治療体系を変革していくかもしれません。